2005/10/30  #74

旅で何を食べますか?


なんだかすっかり秋ですね。
というか、気分的にはすでに冬かもしれない。
朝6時半頃に電車に乗るとようやく太陽が顔を出すし、外回りから会社に戻る頃にはとっぷりと日が暮れているし、気温よりも暦よりも、太陽の光で季節の移ろいを感じます。

・・・・なぁんちゃって、スローライフみたいなことゆってますけど、あまりに仕事が忙しくて、「もーダメ、今すぐ失踪したい〜っ!」と叫びながら過ごす日々。独り言が飛躍的に増え、危険な兆候が現れ始めています。
いくら仕事とはいえ、客商売とはいえ、こんなふうに、まるで誰かに紐つけらて引っ張り回されてるような生活がいいとは思わないし、振り回されるのは自分がしっかりしてないからだとも分かっているから、もっとちゃんと自分のビジョンを持てるようにしたい。
・・・・と思って、いろいろ模索してはいるんだけどな。
やれば出来るか、8時間労働!? 現状からするとほとんど寝言か白昼夢のようですが、仕事は密度とテクニック。頑張れ、ワタシ。

先日奄美大島から帰る日、買ったばかりのお土産を、昼食をとったお店に忘れてきてしまい、後日手紙を出して送っていただきました。
荷物が変に重いと思って開けてみたら、忘れたお土産のほかに、島の特産品である黒糖のお菓子がそっと二袋・・・・・くー、なんてステキな心遣い! ありがとうございます「花かげ」さん、あなたにも10ラオス!!
ますます奄美が好きになると同時に、現地では「ちょっとカロリー高すぎかも・・・」と思って敢えて買わずにいたその黒糖菓子が、予想以上に美味しくって、嬉しい発見でした。
---そうそう、よく考えたらワタシ、あんまり太らない体質だった。
せっかく神様が与えてくれた新陳代謝の活発なこの体、フルに活かさなきゃバチがあたるってぇもんよう、べらんめぇっ!、となぜか江戸っ子口調になりながら、袋いっぱいに詰まった黒糖菓子を二日でペロリと頂いてしまいました。はー完食完食。血糖値もウナギのぼりで、妙なハイテンションでした。はは。

思えば私、すごく食いしん坊なんですよ。お肉とか油ものが好きじゃないのでまだ救われてますけど、すごく食べるし、何でも食べる。前世で餓死して、その反動かな、とか思うくらい(笑)。
中国で鍛えたせいか、妙な味のアジアのお菓子とかもけっこう平気。よほど体に悪そうな色でもしてない限りは、有難くいただいてしまいます。
あ、でも、あれだけはダメだな、巨大月餅。
中国のお菓子で、中に餡の詰まったお饅頭みたいなものを、中秋の名月の時期に送りあう習慣が現地にはあるのですが、毎年その時期になると、中国系航空会社から届くんですよ、会社に。
もちろん、普通のお饅頭サイズなら有難くいただくところなんですが、贈答用のそれは、もう食べ物として機能させる気など端から無いかのように、超巨大。人間の顔くらいの大きさがあって、餡の中心部にはなぜか玉子・・・・って、なんで中心部に玉子が入っているか知ってるかというと、一度食べようと試みたから(笑)。
でも、挫折しました。先輩がモンゴルで買ってきた変な「自称」ゼリーと同じくらい、数少ない「お口に合わない」ものでした。飽食日本人で、大変申し訳ないのですが・・・。

旅で食べるものというのは、常に強烈な印象を放っていますよね。
アジアは美味しいものいっぱいだったから毎日食事が楽しかったけど、チュニジア・モロッコはつらかったなあ。
煮込み肉の「タジン」と、なんと表現すればいいのか、とにかく「クスクス」と呼ばれるものと、ほとんどその二つしか選択肢がなく、毎日タジン、クスクス、タジン、クスクス、タジン、クスクス、タジン、クスクス、ウフフ・・・とその繰り返しでした。
モロッコからスペインに抜けたときは、ほんとに嬉しかったですもん、「選べるって幸せー!」って。
タジンもクスクスも、それなりに美味しいものではあったはずなんですけどね。「ハリラ」というスープは、大好物でした。

ラオスは、ラオスビールが美味しかった。今まで飲んだことのある銘柄の中でダントツ。ドイツビールを飲んでいないので何ともいえないけど、超個人的な見解としては、「世界でいちばんおいしいビール」(笑)。
中国は、うまいものが色々ありすぎるけど、水餃子がいちばん好き。それも、北京とか北のほうの水餃子。あれ食べると、日本で売ってる冷凍の水餃子とか、もう冗談じゃないよぅ、って気になります。
なんていうんでしょう、まず皮が厚くて、なのに中までしっかりスープが浸み込んでて、むっちりとした歯応えが・・・じゅる。

ネパールで、手で食べたカレーも美味しかったなあ。スプーンで食べるとスプーンの味がするってネパール人が言っていたけど、あれは納得。
たとえば、何かの匂いというのは、その物質そのものの一部が空気中にわずかでも流れ出て、私たちの鼻の中に入ってくるから、匂いを感じるわけですよね。ということはスプーンだって、ホントにホントにちょこっとだけど、スプーンの鉄分がカレーにまざってしまって、味を変えてしまうのだと思う。いつもスプーンで食べてたら、すっかり鈍感になってしまって気がつかないけれど、手を使うことで、ほんのちょっぴりですが、動物としての味覚が呼び戻されたような気がしました。

あと、アレ。雲南省の南部、タイ族自治区で食べた、紫米をパイナップルと一緒に蒸したもの。んもー、めちゃくちゃ美味しくって、どうしようかと思うくらいで。あれなんかもう、現地に行かないと絶対に食べられないと思うと、いつか行けるだろうかと、少し遠い目をして空を眺めてしまいます。

基本的に、その土地のものはその土地で食べるのが一番美味しいですものね。
日本にいれば色々なものが食べられるけれど、素材も、それが調理される環境も、それを味わう空気も違うから、たとえ現地から食材を空輸しても、どんなに上手く模倣しても、「日本で食べる○○料理」にしかならないと思う。
それに、その土地のものを体の中に取り込むことによって、ちょっとだけね、体がその土地に近づくような気がするのです。
旅に出る理由のひとつは、そんなところにもあるのでしょうね。

あー、そんなこと書いてたら、またどこか行きたくなっちゃった。
ツアー集中で死に物狂いの11月を無事にこなせたら、2泊3日でもいいから中国に水餃子食べに行きたいなあ。
それか、奄美に「ピーナツ味噌」仕入れにいくか。あれは絶品。

・・・・あなたはどこで、どんなものを食べたいですか?