2005/10/10  #73

はげばーど!!!


屈辱のヒコーキ乗り遅れ事件から1ヶ月。
マングースを威嚇するハブ並みの気合いで休暇を勝ち取り、2年前に無理やり入会させられたJALカードもタイミング良く一万マイル貯まって『おともでマイル』が使えるというラッキーにも恵まれ、ついに奄美大島の地を踏んでまいりました。
あのときカード入会を無理強いしてくれたS社のH社長、今更ですが有難う。
「JALなんか乗らんもん。海外いくなら、もっと安い航空会社使うもん」と思ったけど、買い物でもマイル貯まるし、地道にやってればいつか日のめをみるもんですね。
これぞ人生訓の王道。

そして奄美の神様、お招きいただいてありがとうございました。

誰かに会えるのも、どこかへ行けるのも、どこか見えないレベルで、相手やその場所に許されて、初めて会えたり行けたりするんだと日頃から信じているので、ここへ来れたことに、まず感謝。
奄美はもうなんと言うか、着いた途端に大好きになってしまいました。

私の場合、今のところ海外で一番好きな国がラオスなので、それ以外の場所に対する愛情というのは、ラオスを基準にしてどのくらいかという、極めて偏った物差しで計るクセがあります。
私の中でラオスという名はもはや単位と化し、「大好き!」は10ラオス、「嫌い、早くここを去りたい!」の時はマイナス10ラオス。
・・・新しい単位を創出してしまったな。フッ。

そんなわけで、奄美大島に10ラオス。
行く前、営業先の奄美出身の人に、「奄美に4泊!?何すんの!?」と言われ、
「な、何って・・・」と返答に詰まってしまいましたが、この紺碧の空と、果てしなく透き通る海と、降るような星空と、やたらいい笑顔の人ばっかりと・・・・他には別にいらんっちょ。

島コトバが気に入ってしまったのも、10ラオスのうち2ラオスくらい占めています。
「・・・・っちょ」「・・・っちば」と、語尾につくのが、やたら可愛い。
我が故郷・山口の西部も、語尾に「・・・ちゃ」がついたり、「ちゃ・ちゅ・ちょ」が多用される言語なのですが、北九州とか大分のほうでも、似たような傾向があるらしいですね。
ちなみに沖縄や奄美では「南風」と書いて「はえ」と読むそうですが、山口にも「南風泊(はえどまり)」という地名があり、「ちょ」言語の共通性とあいまって、なんかこう、古代の民族移動ルートの一端を見たような・・・・そういえば、黒潮の流れに沿ってるよな・・・・こじつけかしら・・・。

「・・・ちょ」以外にも、私を魅了した島コトがありました。
『はげ〜』または『あげ〜』がそれ。
いわゆる感嘆詞で、「あれ!」とか「エェ!?」とかいう時に使うそうなのですが、とりわけ私のツボをピンポイントで突いてしまったのが、「ハゲバード!」。
「あらイヤだわ!」みたいな感じで使うらしいのですが、結局ネタとして耳にしたのみで、今回は生ハゲバードは実聴ナシ。残念です。
それにしても、本土の人は皆そのコトバの響きに魅了されてしまうのでしょうか。食事をした有名な民謡居酒屋に中尾ミエの色紙が飾ってあり、サインの横には『はげはげはげ〜』という文字だけが、大きく添えられていました。
はげはげはげ〜って・・・・他に言うことは・・・・中尾ミエ・・・・。

島に暮らす方々がその表現をどう受けとめているのかは分りませんが、「東洋のガラ
パゴス」と呼ばれているだけのことはあり、森の深さ、海の美しさ、自然の豊さに、本当に陶然となりながらの旅でした。
前述の、営業先の奄美出身の方が、「大阪はいつも空がスッキリしない色で、はじめの頃は晴れてるのか曇ってるのか分らなかった」とおっしゃっていましたが、ここへ来て納得。
本当の青空というのはこういうものだったんですよねえ、うんうん。(って、なんか知恵子抄みたいなコトゆってスイマセン・・・)
それに、空がこんなに広いっていうのも、ずいぶん長いこと忘れていたような気がします。

いまどき珍しく、私も同行の友人も運転免許がなく、交通の便があまり良いとは言えない島内観光には、現地の知り合いの車に乗せていただくという、超ご迷惑をかけてしまいましたが、Oさんスイマセン、本当にお世話になりました。
Oさんは現地の新聞社の方で、4月に石垣島で同じ宿に泊まったご縁で今回お世話いただいたのですが、さすが島の歴史や文化についても造詣が深く、いろいろ興味深いお話を聞かせていただきました。
ただキレイなものを見てまわるだけじゃなくて、そういう歴史とか知るとね、やっぱりどんどん好きになっていく。人を相手にするのと同じ。

残念ながら、栄えある10ラオスを獲得しても、扱い地域じゃないために仕事面でこの愛を社会に還元していくことはできませんが、絶対にまたいつか行くし、誰かに聞かれたら、もういいって言われるくらい、思いっきり奄美の美しさを申し述べようと思います。

・・・・あれ、結局コラムぜんぶ奄美の話になっちゃった。まぁいっか。
旅行中は毎晩、飲むか星眺めてボーゼンとしてるかのどちらかだったので、一度もテレビを見ず、世間のニュースにも一切触れず。
帰る日になってようやく新聞を広げた私は、『バリで大規模テロ』という記事を目にし、現地では結局耳にすることのなかったあのコトバを、自分で叫ぶハメになったのでした。
『はげばーどっ、またキャンセルが出るぅぅう!!』