2004/8/16  #56


Mさんの話の続き


「かっ、カエル・・・・・」
雨上がりの日曜の朝、洗濯をしようと洗い物を仕分けしていた私は、タオルとタオルの間に1匹の干からびたカエルを見付け、洗濯ネットを握り締めたまま3分くらい凝固してしまいました。
家の中にカエル・・・・しかも死骸・・・。
いや、確かに家のすぐ側は田んぼで、野良猫かと思ったらタヌキだったりするような土地柄だけど。
何も家の中に侵入したあげく、タオルに挟まれてその生涯を全うすることないぢゃんよ、カエルちゃんよぉ。
そのうち、家の中で沢ガニとか見付けてしまいそうで、ちょっとグッタリしてしまったのでした。

と、そんなお盆なのです、が。
ランドオペレーターにお盆休みなどあろうはずもなく、人もまばらになったオフィス街の真ん中で、カリカリとお仕事に励んでいます。
うちの会社は大阪きってのオフィス街・本町のど真ん中にあるのですが、毎年のことながら、この時期の閑散とした街の様子は、ちょっと感動的なほど。なんか温度も少し下がってる感じです。

・・・・そんなガラ空きの街に、カンボジアのMさんがやってきました。
先月も来たばっかりだったんだけど、前回は橋田さんと小川さんのお墓参りが主な目的で、今回は日本国籍を持つMさんのパスポート更新手続きのためだとか。
先月、私の故郷でもある山口県宇部市で二人のお墓にお参りした際、ご遺族・ご親戚の方々にずいぶん親切にしていただいて、すっかり宇部が気に入ったらしいMさん。今回私の顔を見るなり、宇部のことをあれこれ話し始めたのはいいのですが、いはく、「宇部の人は優しいねえ。カンボジアの田舎の人みたいだ」とのことで。
そうか、じゃあ私はカンボジアの田舎の人か。うむ。

今回のMさんの来阪中に、ちょっと嬉しい偶然(いや、必然か)がありました。
前にも書いたけど、2月のカンボジアツアーで、機内でパスポートを無くして入国できないお客さんのケアを、当時カンボジア事務所で働いていた小川さんがしてくれたのですが、そのお客さんからウチの事務所に電話があって。
小川さんにずいぶん良くしていただいたから、宇部までお墓参りに行きたい、ご実家の連絡先を教えてほしいとのことだったので、ちょうど事務所内にいたMさんに、ご実家に確認をとってもらって、連絡先を教えることができました。
ウチの事務所では、小川さんの実家の連絡先までは誰も知らないのに、よりによってMさんが事務所にいるその瞬間に電話がかかってくるなんて、なんてすごいタイミングなんだろう。この世界には偶然など何一つなく、全てが絡み合い、起こるべくして起こっていることなのだと、改めて思わされました。
それに何より、ジャーナリストとしての仕事ではないけど、小川さんの仕事ぶりを深く心に刻んで感謝してくれるお客さんがいたことが、人ごとながら、私は嬉しくて。

「死んだらダメよ、死んだら全部おしまいよ」。
小川さんたちが亡くなった後、その話が出るたびに、かつてのポルポト時代を生き抜いたMさんは繰り返していたけれど、ホントに「全部おしまい」、なのかなあ。
体は無くなっても、周りの人の中に記憶として、あるいは仕事として残ってる限りは、完全に無ではないんじゃないかなあ。家族や友人、仕事仲間の人達だけでなく、こうやって亡くなって何か月か経ってからでも、まだ小川さんを思う人が出てくるんだもの。少なくとも、「無」ではないですよね。
もっとも、無ではないからといって、残された人の悲しみに変わりはないのだろうけど・・・。

そうそう。
小川さんといえば、北朝鮮に絡んだ取材をするためにカンボジアに滞在して、そのかたわら、うちの事務所で働いてくれていたそうなのですが、多いみたいです、今、北朝鮮の人。
どういう絡みなのかよく分からないけど、「喜び組」もいるんですよ、カンボジアに。
もちろん、金正日に仕えてるのじゃなくて、三軍とか四軍が流れてきているらしいのですが、朝鮮料理の店で毎晩ショーやってるんだって。
ツアー客入れても大丈夫と聞いて、さっそく上司が下見してきたのですが、「あかん、韓国人の団体で溢れかえっとるわ。英語も日本語も通じひんし」とのことで、あえなく断念。
え、ただのショーなら日本語通じなくてもいいじゃん、と思ったら、どうやらちょっとお色気系サービスもあるみたいで、言葉がまったく通じないと、つまんないんだそうです。うーん。

それにしても、なんでカンボジアなんだろう。どういうつながりなんでしょうか。
これはぜひ、報道の方に調べていただきたいですよね。
頼みますよ、テレビ〇日さーん。

・・・あと、実にどうでもいい話なんですが、いま上映してるタイ映画「マッハ!!!!!」、まだの方はぜひ。
筋書き・演技ともに全然どうということもないのですが、『CG無し・ワイヤー無し・スタント無し』の超ガチンコなアクションの連続、もー腰が浮くほどスゴイです。私がインド人なら、間違いなく口笛吹きまくって、あげくに「ブラボー!」とか叫んじゃうところですが、残念ながら日本人のため、おとなしく手に汗握って静かに鑑賞。ちぇ、うらやましいぞ、映画館でエキサイトできる国。