2003/8/10  #31

どうなる中国ビザ

ずいぶん長いことサボってしまいました。
うえやまさんとの始めの約束で、隔週更新を目指していたんですけれど。

カンボジアへ行った際のこと、とりわけそこで会った施設の少女たちのことを書こうとしていたのですが、そこへ訪ねていってもなお、相変わらず部外者の旅行業者でしかありえない自分、相変わらずナイトツアーを送り出さざるをえない自分がもどかしくて、書いては消し、書いては消しを繰り返していました。

そうこうしている間に仕事はだんだん忙しくなってきて、そのぶん記憶がどんどん薄れていくし・・・・って、言い訳ですね。
次回、ちゃんと書きます。僅かでも外部に発信することが、向こうでお世話になったことへのお返しになると思うから。

今回は、話題を仕事のほうへ戻させてください。

中国ビザが、撤廃になるかもしれません。
ご存知のように、現在日本人が中国へ行く場合は、あらかじめビザ(査証)を取得しておかなければなりませんが、これを廃止にしよう、という動きが本格化してきました。
もしかしたら明日(8/10)にも日中両国が合意に達して、政府からその旨の発表があるかもしれません。
今まで中国ビザの取得には、通常なら3〜4日かかっていて、たとえ仕事であろうと、今日言われて明日出発、というのはほとんどできない相談でした。おカネ次第で、裏の手はありますけれど。

そんな風なので、いつだったかドラマ見ていたら、中国に赴任する商社マンが別れた恋人に航空券を渡して、「やっぱり君が必要なんだ。もし僕についてきてくれるなら、明日の飛行機で来てくれないか」と告げるシーンがあって、「ビザ取れよ!」とツッコまずにはいられませんでした。

ビザ取得が面倒くさいから、中国やベトナムは止めてタイや台湾へ、という団体もよくあるくらいですから、ビザが無くなれば両国間の往来がいっそう増えて、観光需要もアップ・・・という効果も狙ったものなんでしょうけれど、正直なところ、業界の人間としては複雑です。
というのも、ビザの代行取得は、かなり手堅い収入だから。

ベトナムビザなんかは、手間が掛かるのさえ厭わなければ、普通の個人でも領事館へ出向いてビザを取ることはできますが、中国ビザは、指定を受けた業者でないと代行取得は不可能です。
で、旅行者の方は旅行会社にパスポートを預け、さらに旅行会社はそのパスポートを、指定を持っているラ業者(うちの会社も指定業者)に預け、業者が領事館なり大使館に出向いてビザを代行取得するわけですね。

最近では、指定業者の間の競争もかなり激しくなって、一人分のビザ取得で得られる手数料は500円とかその程度ですが、なにしろ数が多いから、うちの社内でもビザ課の収入でかなり潤っていると言えます。
旅行社さんも、そこからさらに手数料を乗っけて旅行者さんに代行取得料として売っているわけで、ビザがなくなるということは、その収入が丸々なくなるということなんですよね。

某大手格安旅行社さんなんて、ツアー代金はほとんど利益を乗せずに売って、そのぶんキャンセル代とかビザ代を、ものすごい金額取ってはったでしょ。そこのツアーパンフレットに書いてあるビザ代見て、「仕入れの倍以上じゃん!」と目を剥いたことがあります。まあ、会社ごとに色々やり方があるので、悪いとは思いませんけど。

どーするんだろう。いや、どーするって全然ヒトごとじゃなくて、うちにも中国ビザ専門で何人か社員やバイトの子がいるのに、どうなるんだろ。大手の旅行社さんも、ビザのために人を雇ってるとこ多いですしね。
ひょっとしたら、SARS以上に大きな問題かもしれません。
やれやれ、一難去ってまた一難です。

・・・ま、いっか。どんな物事にもいい側面と悪い側面は背中合わせだし、これで中国に行く人が増えれば、それはそれで喜ばしいことですね。そこから何が起こるか、じっくりとこの目で見ていこうと思います。

余談ですが、アジアの査証というのはけっこう何でもアリです。
すでに有効期限切れのベトナムビザを持ってるお客さんがいて、「取り直すしかないでしょう」と勧めていたら、その人の知り合いのベトナム外交官が出てきて、あっさり有効期限を延長してしまいました。
私が中国に留学していた頃には、滞在期限をオーバーステイしてしまった日本人の女の子が公安に出頭させられたのですが、その際に留学生仲間の黒人男性数人が付き添って無言で圧力をかけたところ、無罪放免になりました。
やっぱり、アジアってユルい、と思う今日この頃です。