2003/4/28  #24

SARS騒ぎの中、ナゲウリ子は

花嫁衣装を着ることになりました。
といっても、着付けのお免状を取る人のために、試験会場で着付けモデルをするだけなんですけど。
頼まれて何の気なしに引き受けたものの、女優じゃあるまいし、まさか結婚する前にそんな格好するとは思わなかった。
でも何でもやるよ、何でもカモーン。だってヒマなんだもーん、ふっ。

というわけで、SARSの影響で仕事は停滞しまくっています。
毎日平均13時間働いた挙句がキャンセルの嵐だなんて、啄木じゃないけど、じっと手を見ずにはいられません。人生、一握の砂。

実際のところ、いま旅行業界がどうなっているのかというのは、騒ぎが落ち着いたら具体的に書く機会もあるかと思いますが、今はまだ渦中なので、何ともかんとも・・・。
特に中国への旅行は、業務渡航も含め、ほぼ全滅状態です。
幸いウチの会社はアジア全般幅広く扱っているので、中国がダメでもまだ何とか売るものはありますが、中国専門のランドオペレーターの中には、正社員を大量に切ったところや事務所閉鎖を決めたところなども既に出てきました。
もはや、ノアの箱舟状態。
全てを洗い流すが如きこの大洪水の中で、一体何社が箱舟に乗ることを許され、生きながらえることができるのでしょうか。

・・・とか言いつつ、SARS禍が始まってもう1か月、営業先で「キミんとこ大変やろ」と同情されるのも、暗い話をするのも、正直もう飽きました。飽きたからって状況が好転するわけでも、苦しむ患者さんが劇的に治るわけでもないですけど、率先して盛り上げていかないと、どうしようもない。ね。

そこで、今日はアジア本の読書感想文。
私の好きな作家、たかのてるこさんの新作が出ました。現役OLでありながら、有給休暇で世界を旅行しては旅行記を書いている方で、旅先での暴走ぶりがとても面白い作家さんです。
で、その新作「モンキームーンの輝く夜に」、すいませんが立ち読みで読破してしまいましたが、ラオスで知り合った9歳年下ラオス青年と出会ったその日に恋に落ち、結婚の約束をして帰ってきた、という内容でした。

正直、これが彼女でなければ、「うわ、バカ」と思ったと思う。
だって、そんな、ねえ。
海外で現地人男性にナンパされて安易についていくコが多いのはご承知の通りだし、それを「恋」と呼んでしまったり、ましてや結婚までなんて、そういうケースに出会う度、「目を覚ませー」と思ってきました。が。

でもよく考えたら、相手がナニ人であろうと、恋なんて勘違いの産物かも。最後まで勘違いしたまま人生を終われれば、その瞬間にそれは本物となるんでしょう。
うっかり途中で目が覚めちゃったときに、海外で拾った恋だったりすると、人から「バカだね」と言われたり、払った犠牲が多かったり、ただそれだけのことかもしれない。

少しね、眩しかったんです、読んでて。
だって、私もラオス人大好きなんだもーん(笑)。
・・・いやいや、そうじゃなくて。
きっと、「旅先で運命の恋を見付けた!」などと言えば、人から「それ勘違いやで」とツッコミ入るであろうことを知った上で、それでも彼女は飛び込んだんだと思う。
それは、カッコ悪くて、でもすごくカッコいい。
だって、選んだことの責任さえ取れるなら、人から何言われようと、一番欲しいものを選ばなくっちゃね。二番目三番目に欲しいものなんか、いらないんです。
やっぱ人生ってそうありたいなあ、と、元々やや人生暴走気味のナゲは思ったのでした。

面白かったですよ。立ち読みしかしてない私がオススメするのも変な話ですが、読むと人生突っ走りたくなります。

そうそう、走りだしそうと言えば、高橋克彦。アテルイを描いた『火怨』などは、あまりの熱さに読む者の血まで逆流させるパワーがありました。あれ読みながら献血したら、きっと数十秒で満タンになるわ。余談ですが。