2003/4/2  #22

「年度末はキケンがいっぱい。」

突然ですが、先日、東京出張へ行ってきました。
いやー、路線が多い。しかも同じホームから色んな路線の電車が出ていくから、千葉に向かうはずだったのに、気が付いたらワタクシ、鎌倉行きに乗ってました。どういうことデスカ。

今回の出張は、全社の営業マンを集めての営業会議も兼ねてたんですけど、他支店の営業マンとは、電話で話すことはあっても会うのは初めて。
そこでみんなに言われたのが、「ナゲさんって、想像してたのと全然違う!女らしいじゃん!」って。一瞬喜んだけど、もともと持ってた彼らのナゲ像っていうのが、「じゃりんこチエ」だの「柔道選手風」だのだったそうで。それって、ねぇ・・・。

いやはや、それにしても、戦争はもとより、謎の急性肺炎SARSの猛威は止まるところを知らず、です。香港では感染者の多く出たマンション一棟の住人まるごと隔離。さすが中国、やることが大ざっぱっていうか、なんていうか。もう堪忍して。
しかも、アメリカ政府が自国民に対して中国への渡航延期勧告を発令してしまったため、「今アジアへ行くとヤバい」という認識が一気に日本国内にも広がってしまいました。
お門違いとは知りつつも、「一体どこまで迷惑な国なんだ、アメリカよ」って感じ。とほ。

この未曾有のダブルパンチ状態の中、多くの旅行会社は3月末で決算期を迎えました。
私達ランドオペレーターにとっては最も注意が必要な時期です。
というのも、この時期に倒産する旅行社が多いから。

一般的に、旅行社からランドオペレーターへの支払いというのは後払いです。
AIR代金だけはさすがに前集金が基本だけど、それすらも場合によっては後になってしまうことも度々。
ということはつまり、お客さんから集金して、ツアーを催行し終わった後に、倒産もしくはトンズラする旅行社が出てくる可能性もある、ということです。

マトモな旅行社であれば旅行業協会というのに加盟していて、保証金または弁済業務保証金分担金というのを納めています。なので、万が一倒産するようなことになっても、協会規定の「範囲内」で、債券者に対して補償がなされるんですけど、これはあくまでも一般消費者の救済が優先。お客さんが多額の債券を主張すれば、そっちに保証金のほとんどがつぎ込まれ、私たち業者は補償の対象から外されてしまうこともあるのです。

それでも、合法的な倒産であれば、時間はかかっても裁判等なんらかの手段を講じることもできますが、一番マズいのが「夜逃げ」。

会社が夜逃げ?と思われるかもしれないけれど、ひとくちに旅行社と言っても、JTBさんなどの超大手もあれば、本当に雑居ビルの片隅で一人とか二人でやってるような会社もあって、実際、私が担当しているところの2割くらいはこういった零細企業です。しかも目に見えないものを売る商売ですから、極端な話、電話さえあれば仕事はできるんですね。
逃げるのも、その気になれば実に簡単なんです。

で、こういう会社に逃げられると、本当に大変なんです。
ランド屋業界に伝わる、決して公に語られることのない裏業務として、「張り込み」「取り立て」があります。
逃げた旅行社の社長を追っ掛け、時には張り込み、見つけだして力ずくで取り立てる。ほとんど刑事か金融屋さんです。上司に言わせると、『営業マンは張り込みやって一人前』とか。

うちの上司は、この取り立て業務の経験者で、ホシのマンションの入り口に車を付けて一日中張り込み、戻ってきたところを二人かかりで取り押さえて、滞納してたランド代を払わせたそうです。
これ、たまたま向こうがお金持ってたから良かったですけど(しかも何十万も)、ほんとに一文無しだったらどうしたんでしょうね。サラ金にでも連れてって、お金借りさせたのかしら。怖くて聞けません。

私はとてもそんなマネはできないし、ヤダなーと思ってたんですけど、出ました、先日ついに、私の担当旅行社の中から夜逃げが。
しばらく訪問してなくて、ちょっと覗いてみようと思って行ったら、ないんですよ、事務所が。表札も外れて、中はもぬけの殻。電話はずっと不通だし、これはヤバイと思って、上司に自宅まで行ってもらったら、そこもいない。マンションの管理人も、「いつのまにかいなくなってた」って。完全に、夜逃げです。
幸い、ランド代の滞納はなかったんですけど、エア課のほうはいくらか未払いがあったらしくて、しばらくはあちこちに手を回して行方を追ってました。
まー、被害金額自体はたいした額じゃなかったみたいなんですけど、うちの会社とも長い付き合いで、私もよくお昼ご飯とは食べさせてもらってた社長さんだったんで、なんかショックで。逃げるの?みたいな。


ほーんと、営業マンたるもの、集金は至上命題です。日頃は売ることばかりに注力しちゃってるけど、実のところ回収してナンボ。
なにしろこんな状況下なので、ヤバそうな旅行社さんには特に注意してなきゃいけないのが、なんとも言えず悲しいところです。

・・・春ですね。外回りしていると、日一日と、日が長くなり、暖かくなっていくのを感じて幸せな気分になります。世界中のみんなが、この春の喜びを感じられるような状況に早くなってほしいです、ほんと。

戦争の一日も早い終結と平和、SARSの対応ワクチンの発見を、本当に本当に心から願います。