2003/2/27  #18

見積もりの山に埋もれて

私たちランドオペレーターが仕事を受注するときには、だいたいが見積もり作成からスタートします。

「何月出発でどこどこ、何名、航空会社は2つくらい料金出しといて、あ、でもジャルは高いから要らんわ。中国系でええで。ホテルはスタンダードクラス利用で。自分とこ、どこのホテルが仕入れ強いん? あ?中亜飯店?大丈夫か、そんなとこ。ま、クレーム出んかったらええけど。とにかく予算ないねん。観光付き、ショッピング連れまわしてええから安うしといて。食事は全部付けといてな。クレーム出ん程度に安いんでええから。添乗員?いらんいらん、そんな予算ない。あ、ゆうとくけど、他からも見積もりとるでー。安くしといてな。安く。」
・・・ぇえい、安かったら何でもええんかーい!

とまあ、だいたいこんな感じで旅行社さんから見積もり依頼をいただいて、現地事務所に見積もりをとり、そこにいくらかの手数料(利益)を乗っけて提出するのですが、まー、とにかくその数が多い!

私が担当してる旅行社さんだけでも約80社、規模の大小があるとはいえ、各社数〜数十人の営業マンがいて、各々が仕事とってくるのですから、いくら不景気とはいえ見積もりの数も半端じゃなく、それをさばいてるだけで日が暮れそうになってしまいます。

特に、旅行料金がどんどん低価格化している昨今では、お客さんも相当シビアというか、えげつないほど何社も掛け持ちして見積もりを出させるみたいで、先輩営業マンのとこにきたA社の見積もりと、私のとこにきたB社の見積もりが、同じグループのものだった、とかいうこともよくあります。

おもしろいですよね、お客さんは何社かの旅行社さんを競合させてるつもりなのに、ベースになる料金だしてるランドオペレーターは結局同じとこなんて。
まあ、私たちランド屋も、旅行社さんから相見積りかけられてるわけですけど。
社員旅行とか修学旅行みたいな大型の手配旅行になると、10社競合とかザラなんですけど、そんなに何社も料金見比べる暇あるんやろうかと思ってしまう。
そんなのになると、確実に自分以外の営業マンのところにも、別の旅行社さんから同じ見積もり依頼が来てますから、「せんぱーい、〇〇高校の見積もり見せてー」と、見積もりの横流しをしています。
そのほうが、双方の旅行社にとっても不公平ないしね。
というわけで、一人の営業マンが毎日平均10本くらいの見積もりやってるわけで、一月で約200本の見積もり書が机の傍らに積み上げられる計算になります。
埋もれるっちゅーねん、ほんま。

もちろん、受注に至った見積もり書は、この山の中から救出され、手配担当社の手元へと渡っていくのですが、その割合はせいぜい1割から2割。
これが普通なんですよ。ベテランでトップセールスマンの上司も、せいぜい1割2割。
これで十分に経営は成り立っているんです。

・・・・ということは。
私らのやってる仕事の9割は、可燃ごみの増加に拍車をかけてるだけの作業ってことか!? ひえぇぇぇぇ。
まーもちろん、どんな業種であれ営業というのは、お金やシステムに反映されない無駄な作業の多い職種で、そのムダをいかに次の仕事へ繋げるかがその営業マンの力量ということになるんだとは知っているんです。けれども。

多すぎないかな、見積もり倒れ。
他の業界ってどうなんだろう。
よく引っ越し会社のCMとかで「見積もり無料!」とかゆってるでしょ。
ってことは、見積もりにお金取ってる仕事もあるわけですよね。

いいなー。見積もりでお金もらえたら、私ら大儲けなのになー。
旅行業約款では、旅行相談っていう項目があって、本当は旅行相談や見積もりに報酬を要求していいことになってるんですけどね。
・・・取れないよなー、そんなもん・・・。

というわけで、今日もまた見積もりの山に埋もれ、電卓かちかち言わしながら深夜の作業は続くのでした。
環境保護のために、再生紙つかお・・。