2002/7/25  #3

「仁義なき安売り抗争・その壱」

昨冬、「日系航空会社で行く!北京3日間 29800円」
というツアー広告をみかけた方、いらっしゃいませんか?
国内でちょっとした温泉旅館に泊まったら、
宿泊費だけで一人2万円くらい取られるってーのに、
飛行機代込み、宿泊・飲食・観光全て込みで29800円て、
なんだそりゃ。売ってるほうまで驚きの鼻血ブーだ、ブー。

今回は、そんなバカ安ツアーの構造に
迫ってみたいと思います。
で、件の北京ツアー、仕入れを手掛けてたのは
まさに私達でした。
私達というか、うちの会社をはじめとする、
数社のランドオペレーターね。
あの料金がどんな構造で出来上がっていたかというと、
まず、飛行機代の仕入れ値は20000円。
一瞬、JASのバースディ割引かと思っちゃったぜぃ。

この飛行機代は、アメリカのテロで
急激に冷え込んだ旅行需要を喚起するための、
航空会社の必死の施策だったんだけど、
これに現地のホテル代・観光代もろもろが3800円、
私達ランドオペレーターの利益が1000円、
実際の募集主体となる旅行会社さんの利益及び
広告経費(abロードとかの掲載費ってすごく高い)が5000円、
締めて29800円なり、はい、まいど。
という内訳になっていました。

で、私がここでお話したいのは、
現地費用(業界ではランド代と呼ぶ)がなぜ
3800円でおさまってしまうのか、ということ。
一人あたま1000円しか稼げないランドオペレーターの
薄利多売な現状はとりあえず置いといて、
ホテル2泊して食事して観光して3800円、
いくら現地の物価が安いったって、
冷静に考えたらおかしいと思いませんか!?

実はこれ、ホテル代のみの料金で、
食事その他は一切計上されていないのです。
では、その費用をどうやって捻出するか。

正解は、ショッピングへご案内、なのです。

海外の安いパッケージに一度でもご参加された方は
ご記憶でしょう、買いたくもないのに何件も、
宝石屋だの掛け軸屋だのに連れまわされたことを。

ショッピングへ行けば、店からマージンが出ます。
けっこうな額です。
そのマージンを客の食事代や観光代に充て、
あまつさえガイドのお給料にもします。
だから始めからランド代として計算にいれないのです。
安く出し、競争に勝つために。

ヨーロッパとか他地域では知らないけれど、
アジアではこのシステムはごく一般的で、
当然のことながらショッピングに行かないツアーは高い、
とこういう訳です。

もちろん、買いたくもないショッピングに
付きあわされるお客さんからクレームが出ることもあります。
しかし!私は言うたんねん。

「だって安いんだもん、しょーがないぢゃん!!!」

牛丼が280円(だっけ?)で食べられる時代、
旅行だって安くなくっちゃね、
という風潮はもちろん当たり前。
でも、ガイドのお給料までマージンに頼って
料金をはじかなければ競争に勝ち残れない旅行業界、
これからどっち向かって走っていくんでしょうね?

安くして、少しでもたくさんの人に
アジアを見てもらいたい。
だけど安いだけの上っ面な旅行じゃ、
売ってるほうも淋しい、つまんない。ジレンマです。

・・・次回のテーマは、
「そこまで値切るか!?仁義なき客との攻防」です。