#6

どんな夢もたくさんの人に応援してもらえれば、
必ず実現できる。


□うえやま
「夢の掛け橋プロジェクト」では
子どもたちにどんな話をされたのですか?

□達さん
「夢を実現する三つの法則」です。

ぼくは、どんな夢もたくさんの人に応援してもらえれば、
実現できると思っています。

世界一周中、
生きるか死ぬかという目に何度もあったんですが、
そこで、正しい判断ができたのは、
たくさんの方々の応援があったおかげだと思います。
さっきもいいましたが、ひとりでできることなんて、
限られています。

本当にいろいろな体験を通じて「三つの法則」を思いつき、
今でも心がけて実行しています。

その1つ目が「挨拶」です。

新しい村に入っていくたびにすごく緊張します。
そこでは、完全なよそ者ですから。
でも、手を差しのべて握手をかわし挨拶することで、
お互いの緊張がとけ、
家によばれて、食事をいただき、
次の村の村長さんまで教えてもらえる。
それは、すべて挨拶から始まるんです。

いざというときに、助けてくれたのは、
目を見て挨拶した人でしたし、
挨拶ひとつで敵が味方になることもありました。

2つ目の法則が「当たり前のことはない」
という感謝の気持ちです。

日本では水道をひねれば、
水が当たり前のように出てきます。
しかし、アフリカやアジア、南米では水あびをするとき、
遠くから汲んできた水を、せっけん箱のフタに少しずつ入れて
すくいあげて浴びるんです。

何ヶ月かぶりに、アフリカでシャワーを
貸してもらえることがあって、
そのとき水が上から出てくることに
ものすごく感動したことがあります。
蛇口をひねれば、水やお湯がでる。
それは決して、当たり前のことじゃない
んだと。

講演している時にも、
「今こうして世界一周の話が聞けることを
当たり前のように思っちゃいけない」と言います。
「裏では、先生たちが何度も打ち合わせをされ、
ぼくの宿泊の世話をして下さったり、
会場のセッティングに夜遅くまでかかったり、
いろんなことがあって、はじめて
こうして話が聞けていることを
感じなければいけない」と。

「家でもごはんを作ってもらって
それを当たり前のように食べていたら、
それはとても恥ずかしいことなんだ」
と言っています。
当たり前のことに感謝できなければ、
誰も応援してくれません。

3つ目が、「自分の個性を生かす」ことです。
個性を生かしている人は、
人が応援してくれるような気がするんです。
正確な例えかわかりませんが、
ノーベル化学賞の田中耕一さんって、
個性的で精一杯自分を生かしている。
なぜか応援したくなりますよね。
それは、感謝を忘れず個性を発揮しているからだと思います。

ぼくも、たまたま自転車と個性を生かすことができたから、
夢が実現できた。
ですから、ぼくはこれだけ夢中になれる自転車に
めぐりあえたことにすごく感謝しています。

自分の個性が合うものと出会えれば、
いろんな人が応援してくれると思うし、
どんなことでもいいから、
まわりの人が応援してやろうと思えるくらいに
夢中になれることを探すことが
大切だと思います。

人が成功したからとかじゃなくて、
「自分に何ができるか」
なんですね。
自分の個性を生かすことは、
ホントに難しいけれど大切なことだと思います。

これがぼくが子どもたちに伝えている三つの法則です。