第4回 その7

焚火には、不思議な力がある。
人の心を裸にしてしまう魔力があるように思います。

 

□うえやま
これまで、長年にわたって、焚火をされてきているわけですが
焚火のよさって何なのでしょうか。

□焚火小僧さん
焚火には、ホント不思議な力があって・・・。
この裏に焚火する場所あるでしょ。
あそこで、毎週土曜日に焚火をしているんですけど、
真ん中に火があるのと無いのでは、
その場の雰囲気がまったく違うモノになるんです。

火を入れずに、ただその場を囲んでいると、
いつもと変わらない普段通りの会話なんだけど、
火をおこして、その火にあたりながら、
話をしているとね、みんな素直な気持ちで
話ができるようになる。
いつも心に着ている余分なものを脱いでね、
すっぱだかの心になれるんです。
等身大の自分、ありのままの自分が
そこにあるような気がします。

もちろん、バカな話のほうが多いんですけどね。
でもね、なかには、突然自分の悩みを話し出す人がいたり、
不倫していることをうち明けたり・・・。
こちらは、別にそんな話を聞きたいわけじゃないんだけど、
なぜか話はじめてしまう。

□うえやま
そんなときは、どうするんですか?

□焚火小僧さん
ちゃんと聞きますよ。(笑)
だって、言ってる人は真剣だから。
真剣に聞かないとまずいでしょ。(笑)
まぁ、そんなことがあるんですよ。
不思議です。焚火って。

□うえやま
火の魅力というか、魔力というか。
きっと人類全体に通じる何かがあるんでしょうね。

□焚火小僧さん
そうですね。
赤い火には、不思議な力がある。
昔の戦のときでも、松明を焚いて志気を上げたりしていたでしょ。
火を見ると、力が湧いてくることもあるんです。

□うえやま
そういえば、テレビで戦のシーンを見ると
火を焚いていますね。

□焚火小僧さん
そうなんです。
なんか赤い火って、いいですね。
最近の子供は、火を青いモノだと思っている子がいるんですよ。

□うえやま
そうなんですか?

□焚火小僧さん
以前うちにキャンプに来られた家族があって、
いっしょに焚火をしたことがあったんだけど、
そのときに、その子供さんが、
「火って、赤い火もあるの?」
っていうんです。
何をいっているのかと思ったら、
「家の台所の火は青いから、火は青いもんだとばかり思ってた」
というんです。

□うえやま
そういえば、日常生活のなかで、赤い火を見ることって
あまりないですもんね。

□焚火小僧さん
そうでしょ。火事があったりしたら、見ることもあるけど、
火事なんてめったにないし、
それ以外で、そうそう見るもんじゃないから。
キャンプに言っても、火をおこさずにバーナーとかで
お湯をわかしたり、料理したりするから、
赤い火を見る機会がない。
だから、子供達は火は青いモノだとばかり思ってるみたい。

□うえやま
青い火を見て、あまり感じるモノはありませんからね。

□焚火小僧さん
火がゆらゆら揺れたり、火の粉が飛んだり、
煙かったりね・・・。

ぼくは、ときどき一人でも焚火をするんです。
ぼーっとね、酒を飲みながら焚火をしてる・・・
もう、何もいらないって思う。
心のそこから暖まってきてね。
満たされた気持ちになれます。

大昔の狩猟時代にも、やっぱり火を焚いていたでしょ。
そこで昔のひとたちも、毎晩語らったんだと思いますね。
火を見ていると、時間を越えて同じ気持ちを
共有できている気がします。
なんか不思議でしょ。
太古の人々と同じ気持ちが共有できるって。

□うえやま
いやぁ、お話を聞いていると、
焚火に参加したくなってきました。
焚火は、いつされてるんでしたっけ?

□焚火小僧さん
基本的に毎週土曜日の夜9時頃からやってます。
雨が降ったり天気が悪いと中止しますけど。
誰でも参加OKです。
気軽にどうぞ。
来る人は拒みませんし、去る人は追いませんから(笑)

□うえやま
今日は本当に長時間ありがとうございました。

 

 

あとがき


D's woodには、ログハウスがあり、焚火ができる場所がある。
キャンプができる場所もあり、雑木林のなかは、
気持ちよい空間が広がり、
喫茶店や雑貨を売るショップもある。

こうした場所を作り、そして運営しているのが、
これを生業としている人たちではなく、
普段はサラリーマンとして
会社勤めをしている人たちだということ。
サラリーマンを兼業しているというか、
ログサイトを兼業しているといのか、
二本柱であることが、すごく新鮮で新しい気がした。

仕事に生きることは、素晴らしいことで、
これからもこの流れは続くと思う。
しかし、仕事だけじゃなくて、それ以外にも、
違う人生の楽しみをしっかりと持って、
その両方を、旨い具合にぶらぶらと
行き来できるライフスタイルの心地よさを
ぼくは、あの場所から感じ取ることができた。

インタビューを読んでくれた人で、
焚火に参加してみたいと思った人、
でも、ちょっと勇気がないなという人、

まずは、太陽が高いうちに、
D's wood内の喫茶店D's hutを
一度訪れてみてはいかが。
そこで、厨房の奥さんに声をかけて、
いろいろ聞いてみると、
丁寧に教えてくださると思いますよ。

秋のD's woodは星がきれいらしい。
是非、一度足を運んでみてください。