第2回 その4

 

木のことが少し語れるようになったら、
資格をとってもいいかな、
って思ってるんです。

□うえやま
現在、日本には盛田さんが所属されている
日本樹木保護協会以外にも
樹木の協会はあるのですか?

□盛田さん
一番大きなところでは(財)日本緑化センターがあります。
ここは樹木医の国家試験をしている機関です。
ウチの協会でセミナーを開いている民間資格は、
樹医という言葉を使っています。
山野先生が一番最初に作った言葉ですからね。
・・・あと、通信教育でもそれらしいのが
いくつかあるみたいです。

□うえやま
樹医と樹木医は違うんですね。
もう少し、説明していただけませんか?

□盛田さん
樹木医は、国家資格です。
樹医は、樹医は山野忠彦先生の流れを継ぐ、
日本樹木保護協会での名称ですね。
ウチの親方(協会の会長)は
「樹医と名乗りたかったら、名乗ったらいい。
どんな木でも適切な診断ができて
的確な処置ができる自信があるんやったらな。
そしたら、キミはもう樹医や。何の問題もない」
って、いってます。
ぼくには、まだそんな自信はありませんので。

□うえやま
樹医さんと名乗っておられる方は
全国で何人ですか?

□盛田さん
まだ、3人です

□うえやま
国家試験をパスした樹木医さんは
今、日本にどのくらい
いらっしゃるんでしょうか?

□盛田さん
おそらく、五百人くらいじゃないですか。

□うえやま
樹医さんは厳しいですね。
自分で名乗るのって、相当自信が付かないと・・・。
ところで、盛田さんは、
国家資格を取るつもりはあるんですか?

□盛田さん
勉強しようとは思ってますけど、
今すぐ、欲しいとは思わないですね。
樹木医の資格を持つよりも、
腕を磨いたり、木に触れていることのほうが
興味があるんです。

□うえやま
現場主義ですね。

□盛田さん
ウチの社長はよく、
「おまえは、ブラックジャックや」
なんて、言ってますが、
ぼくも、結構喜んでたりするんですよ。(笑)

□うえやま
資格じゃない、腕だと。(笑)

□盛田さん
う〜ん、正直むずかしいところですよね。
資格っていうのは、他の人々にわかってもらう時や
仕事を受注したりするときには、大変便利なんですけど
樹木にしてみたら、どっちだっていいんです。
ちゃんと治療されしてくれれば。

もし、上山さんが調子が悪くなって、
お医者さんに診てもらう時、
国家試験をパスした若手の先生と、
無免許だけど、数十年にわたって、
何千人も治療してきた先生と
どっちを選びます?

□うえやま
無免許でもベテランの先生の
ほうがいいですね。

□盛田さん
ぼくもそうなんですよ。
今現在、国家試験の本を読んで勉強していますよ。
参考になることは、たくさんありますし。
だからといって、それだけで治療は難しいです。
生きてるモノを扱っているし、
状況は刻一刻と変わっていきますから、
やっぱり、木を見たり、触れたりすることが
好きじゃないと。

幸いにも、ぼくは都市の中にいるより、
木に触れたり、土をいじったりしていることが
好きなので・・・。
もちろん女の子もだけど。(笑)

まぁ、30代半ばから40才くらいになって、
木のことが少し語れるようになれたら
資格をとってもいいかな、
と思っています。

資格も大切かもしれませんけど
本来学習する目的は
樹を少しでも的確に治療したいからであって、
試験に合格したり、
名前が欲しいからというのでは、
少しさみしい気がしません?

□うえやま
いっちゃいましたね。(笑)

□盛田さん
(笑)

□うえやま
盛田さんがそうやって、10年とかもっと長い
スパンで物事を考えられるところが
すごいなぁと思います。
ひとつのことを時間をかけてやってきた人って
その背中に歴史が見えるでしょ。
それが格好いいなと思うんです。
ぼくなんか、いろんなものを
ちょっとカジってばかりなんで、
背後に歴史ができていないんです。(笑)

□盛田さん
そんなことないですよ。アラスカのユースで
会ったとき、ここまで(フェアバンクス)何で来たんですか?
って聞いたら、
「チャリンコ」
っ聞いてびっくりしましたもん。
普通はできませんよ、ソレ。(笑)

□うえやま
あれは、アソビです(笑)