第2回 その12

 

アラスカに行った目的のひとつは、
若い森の姿が見たかったんです。

□うえやま
アラスカはいつ行ったんですか?

□盛田さん
ローリングサンダーの墓や4本の木を探しにいく前です。
アラスカの場合、どうしても季節が限られて
くるじゃないですか。
それで、先にアラスカへ行って、
そのあと、ローリングサンダーのお墓参りと
樹をゆっくり探そうと考えていたんですけど。
アラスカは1ヶ月の予定で行ったんですが、
結局2ヶ月居てしまって・・・。(笑)

□うえやま
アラスカっておもしろいですよね。

□盛田さん
すごく面白いところです。
そのとき、フェアバンクスのユースで
うえやまさんと会ったんじゃないですか。

□うえやま
そうでしたね。
アラスカは魅力的なところですよね。
ぼくは、星野さんの影響でアラスカに行ったんですけど。
ここ数年、多いみたいですね。
アラスカで会う日本人の半分くらいは、
星野さんに影響を受けて来ている人のように
感じたんですけど。
ちょっと大げさかな?
ぼくの話は脇に置いてといて・・・。
アラスカには、北の森林が見たくて
訪れたということですが。

□盛田さん
そうですね。
さきほどもいいましたが、目的は2つあって、
ひとつは、星野さんの影響ですね。
それと、もうひとつは、
若い森が見てみたかったんです。

□うえやま
若い森っていうのは、どんな森なんですか?

□盛田さん
ごめんなさい。
若い森っていうのは、適当じゃないですね。
森になりつつある森、森の初期段階ということです。

昔々、氷河が山を削って、山肌にコケが生えてくる。
さらに、植物や動物たちの生命活動していった跡が
どんどん堆積して土になっていきます。
日本では、だいたい1cmの腐葉土ができるのに
約100年くらいかかると言われています。
そこで、生きる生物の活動が活発になればなるほど、
深い森になっていくわけです。

アラスカには、現在もまだまだ多くの氷河があって、
生命活動も限られているから、
森がまだ十分に出来上がっていないんです。
だから、アラスカの森をみれば、
日本にある今の森のはじまりを見ることができるような
気がしたんです。

□うえやま
とすると、南から北へ行くにしたがって、
うっそうとした森から林になり、
やがて木も生えなくなってしまう。

□盛田さん
そうですね。
その土地、その土地によって、森の形成の仕方が
あるので、一概には言えないですけど、
アラスカの場合、北へあがっていくほど、
それ以前の世界が見られると思います。

□うえやま
なるほど。
それで、北のどんづまり、
最北のバローまで行ったんですね。
森林限界をとっくに越えてますけど。

□盛田さん
あそこは、北米大陸最北端ですからね。
北緯が70度を越えてますから。
そのさきは、凍てついた北極海だけです。
飛行機から見るツンドラの平原は印象的でした。
亀の甲羅みたいな模様が、果てしなく続いてるんです。
まぁ、寒くてね、すぐ帰ってきましたよ。
いちおう、見たってことで、へんに納得して(笑)

□うえやま
飛行機でしかいけないんですよね。

□盛田さん
そうです。
アラスカには道がそんなに多くないんです。
町と町を結ぶのは、むしろ、
飛行機だったりしますから。
まだまだ大自然が残っているんです。