第2回 その11

 

ローリングサンダーには
会えませんでしたが、
何か、大きなメッセージを
もらったような気がします。

□うえやま
そうやって、天職のような仕事に出会って
心の歯車は、かみ合い始めたのですか?

□盛田さん
働きだしてから3年がたったくらいでしょうか、
大阪の住之江にある大きな楠の治療が終わったときに、
自分のなかで、何かがカチッと
はまったような気がしたんです。
---これで、ローリングサンダーに会いにいける、
そう思ったんです。

□うえやま
彼に会いたい、というのがきっかけで
今の仕事を始めたんですもんね。
それでアメリカに行ったんですか?

□盛田さん
そうですね・・・。
ただ、実は、アメリカに行く目的はそれだけでは
なかったんですよ。
あくまでも、メインはローリングサンダーだったんですが、
他にも見たいものが増えて・・・。

アメリカとメキシコにある世界有数の4本の巨木と
カナダやアラスカの森を見てみたい
という目的もあったんです。

あと、アラスカについては、
星野さんの影響というのも
あるんですけどね。

□うえやま
そうだったんですか。
でも、そんな何ヶ月もの旅行を
よく社長が許してくれましたね。

□盛田さん
ウチの社長も、昔バックパック担いで
ヨーロッパを巡ってたので、そのあたりは
理解があるんですよ。(笑)

□うえやま
それで、アメリカに行って、
ローリングサンダーには会えましたか?

□盛田さん
実は、日本で行く前にいろいろ調べていたら
ある本に、彼がもう亡くなっていると
書かれていたんですね。

□うえやま
えぇ、そうなんですか?
・・・
それは、ショックだったでしょ。

□盛田さん
確かにショックでしたが、
それでも、もうよかったんです。
感謝の気持ちだけでも現せればいいかなと。
お墓に彼が好きだったたばこ
「ファイブブラザーズ」を
お供えできたらと思って・・・。

彼はカーリンという小さな町に
住んでいたんです。
そこまでいけば、小さな町だから
お墓もわかるだろうと思ってたんです。
墓地はすぐに見つかりました。
でも、なぜか、彼のお墓が見つからないですね。

これは、おかしいと思って
役所に行って彼の家を教えてもらい、
家を探すことにしたんです。
ようやく彼の家を見つけたんですが、
想像していたとおりの家でね、
もう、ここまでこれただけで
満足だったんです。ホント。

□うえやま
家族の方には会えたんですか?

□盛田さん
ドアをノックすると
20歳くらいの女性がでてきました。
多分、年齢的には、お孫さんさんだと
思うのですが、片言の英語で
「ローリングサンダーの本を読んで、日本から、来ました。
お墓を参りしたくて、墓地を探したんですが、
見つからなくて・・・」
そういうと、彼女が英語で何かいったのですが、
上手く聞き取れなかったのです。
でも、どうやら、墓地とかじゃなくて
どこか、ちがう場所に
彼は埋葬されたというようなことが
ニュアンスとしてわかったんです。
その場所には結局行けませんでした。
でも、それも何かしら意味があるんだろう
そう思えたんですね。

□うえやま
でも、そこまで行けたというのは
意志のチカラじゃないですか。

□盛田さん
うん、そうですね。
本当のことをいえば、
残念だったですけど・・・。
これは、ぼくのこじつけと
思われるかもしれませんが・・・。

いや、旅をしていると偶然が
偶然じゃなくってくるんですけどね。
あのー、今回、アメリカで見たいと思っていた
巨木のうちの1本が、どうしても見つからなくて。
あとの3本は、わかったんですが、
この1本だけがどうしてもわからない。
どこの町の地図にも、のってなくて。
大きな本屋さんに行って、国立公園特集とか
いろんな本をかなり探したんですよ。
でも、のってなかった。
それが、この小さなカーリンの町で
見つけた地図には載ってたんですよ。

□うえやま
それは、何かメッセージだったのかも?

□盛田さん
と、受け止めたんです。
彼からのメッセージだったように思うんです。
ローリングサンダーがね、
「死んだ者のことを気にせず、
おまえが信じる道をどんどん進んでいけ!」
そんなメッセージを送ってくれてる
ような気がして。
こじつけに聞こえるかもしれませんけど
でも、ぼくは、そう感じたんです。

□うえやま
それで、4本の木は見ることができたのですか?

□盛田さん
はい、世界で一番背の高い樹「トーレストツリー」。
レッドウッドっていう杉の仲間ですが、
これが高さ110mくらいあるそうです。
幹の根元から見上げると、木の先端が見えないんです、これが。

それと、世界で一番でかい樹「シャーマン将軍の木」。
ジャイアントセコイヤでやっぱり杉の仲間。
一番体積があって、家を建てるための木材が
この1本で40軒分とれると、パンフレットに書いてありました。
めちゃくちゃでかいですよ。

そして探すのに苦労した「ブリッスルコーンパインの森」。
和名は、イガゴヨウマツだったと思います。
ここが素晴らしくて、
半分枯れているのに、腐らずに立っている木々が、
見渡す限りあたり一面にあるんです。
すごく幻想的な風景なんです。
古い樹で樹齢4600年になるそうですが、
樹を保護するということから、
それがどの樹なのかは公表されていません。
この3本の樹が、アメリカのカリフォルニア州にあります。

そして、世界一太い木。
これがメキシコのトゥーレ村にあります。
「トゥーレ・サイプラス」という糸杉で、
これは、信じられないくらいでかいです。
幹の太さが家一軒分くらいあって。
見ると壮観ですよ。
ぼくの歩幅で、たて14歩×よこ24歩!
この世の中に、
こんなに大きくなる生き物があるのかって
思いましたね。