2006/6/14  #5

野風組曲   第5章

ブーレ


今日もビジネスホテルになっちまった。観光案内のオヤジが悪い。俺様は温泉付き安旅館を探してくれといったのに・・。まぁよい、イエス様のお慈悲に免じて許してやろう。
ところで岡山から倉敷へ向かう。そこで、Fさんお勧めの美観地区をテクテクと観て歩く。バイクのスピードに慣れてしまったせいか、歩き出すとじれったさを感じる。サンダルを持って来れば良かった。統一された美しい町並みに感嘆する。うむ、旅はゆっくりとしたものでなければいかん。一服した後、いよいよ瀬戸大橋へと向かう。料金所で料金表看板を見て目ん玉が飛び出そうになる。これはバイクだぞ!も少し安くならんのか。しぶしぶ片道分¥4,620−を支払う。今が江戸時代なら一揆をおこすところなのだが。

しかし、この瀬戸大橋、これほど大きな橋を造る日本人の技術力というのは賞賛すべきところがある。橋上から、側道へ入り、螺旋状の道路を降りていくと、そこに与島サービスエリアがある。この橋を造るために、島が一つ潰された事を知って、少し忍びないと思ったが、そんなことは俺様の知ったことではない。瀬戸大橋をバックに、写真を撮ってもらった。気分は最高!

すると向こうから、恐そうなヤンキー兄ちゃんが、こっちへ向かって歩いてくるではないか。俺様は荷物などいじって、そ知らぬふりを決め込んでいた。実はワタクシ、小心者なのである。ところが尚も、真正面に向かってくる。明らかに、因縁をつけようというオーラがほとばしっているではないか。

目の前で立ち止まり、ちょっと照れくさそうにヤンキー兄ちゃんが言った。「にーちゃん、足立ナンバーって、東京から来たの?」「E?えぇ」「いやーすごいねぇ」「(ほっ、ひと安心)いやぁもお、腰が痛いっすよォ」「はっは、そうだろうなぁ」トラックのナンバーを見ると、相模ナンバーであった。なかなか嬉しい。遠くへ来ると、ちょっとしたことで仲間意識が生まれる。

四国へ突入!生まれてはじめてである。うどん屋が多い。しつこいくらい多いので、一つくらい入ってやった。こういう時は、地元の人が入っている食堂を選ぶものだ。昔からやっているふうで、活気のあるうどん屋を見つけ、入ってみる。隣席のタクシーの運ちゃんが注文していたので、俺様も釜揚げうどんの大をたのむ。これがなんとまぁ、デカイ!ウチの会社の社員食堂の終わり間際(在庫処分)の大盛りよりデカイ。一口たぐってみる、ところがうまい!そのコシ、ツヤ、本場のうどんとはこれほど旨い物なのか。たらふく食って三百円ナリ。安い!恐るべし、讃岐うどん。

爪楊枝をくわえながら、さてどこへ行こうか迷う。道後温泉へ行こうか、四万十川を見るべきか。地図を見ながら、考えて高知へ。32号線をずっと下ってやっと高知市。途中すれ違うライダーたちとVサインの嵐になる。(補足。ご存知の方は多いかもしれないが、気持ちのいいライダー達は、対向車線ですれ違うときなど、思い思いのサインで挨拶を交わすのである。もちろん何処の誰だか知らない人である。)高知へ入ったところで、「二輪案内無料!」の看板を持ったスタッフたちが、死に物狂いでそれを振っている。通り過ぎるのは、愛想がないので、ちょっとそこへ寄ってみた。良かった、いろいろアドバイスがもらえて、写真も取ってくれた。この写真が後日届くのだそうだ、また高知へ来いと。

そして、駅前で宿を予約して、こうしてライダーの日記を書いている。駅からすぐそこだったのに、オヤジのいい加減な説明のせいで、ぜんぜん違うとこを1時間も探してしまった。夜、日本三大?名橋とうたわれる播磨矢橋を見に行き、唖然としてしまう。え?これ?ここがそう?どこ?と周囲の人に聞くが、にっこりするばかりだ。そのまま欲情して、市内を徘徊するが、不完全燃焼のまま帰宿。何気なくテレビをつけてビックリ。テレビがポンコツのせいで、大人のチャンネルがただで見れるのだ。らっきぃ。その夜、イメージトレーニングをして寝たのは言うまでもない。(補足。ご存知の方は多いかもしれないが、気持ちのイイ?トレーナーは、イメージの中で起用する女優は、自分の彼女または女房以外の人である。もちろんよく知っている身近な女性だったりすることが多い。)

5月1日。本日の出来高、岡山から高知まで。走行距離約250km。給油1回。