2005/3/29  #15

樹高計測法

そういえば去年、M世界文化社さんから「かがくらんど」11月号が発刊された。ぼくたちのイチョウの木と題された絵本である。

取材場所は東京、東村山市にある南台幼稚園。絵本と言っても、写真を絵に、昔からその幼稚園の広場の真ん中にあった大きなイチョウの木に、木のお医者さん(師匠山本樹医)がやってくるというお話。この絵本の中で、木の高さや枝張りを測定して、イチョウの身体測定をするところがある。幼稚園の子供たちにはわかりやすいよう、景気付けにバナナをもらった私が木の先端まで登り、ロープを地面までたらし、(写真では残念ながら、誰かわからん)そのロープの長さを広場で測りなおした。子供達がまったく言うことを聞かないのには、さすがのドボク族もお手上げ状態であったが、かわいらしい保母さんたちのおかげで、取材も無事終了。子供たちが普段、かけっこをしている広場の下に、イチョウの太い根っこがあるのを見て、不思議そうに目を輝かせていたのを覚えている。
ちなみに、このイチョウの木は
高さ   16メートル80センチ(子供14人分)
枝張り  23メートル20センチ(子供20人分)
幹の太さ 3メートル30センチ(子供が手を繋いで7人分)
落葉した葉っぱの数は、275万枚(よく数えた)
戦後に植えられたものだと思うので、樹齢50〜60年くらい。


しかし、いかにバナナをもらったからといって、ことあるごとに私が木に登らなければいけないのは、考えものだ。ここでは、誰にでもできる樹木の高さを測る方法をお伝えしたい。樹木の高さを測る方法は幾つかある。持っている鉛筆やペンを使って眼見当で測る方法。隣にあるビルの階数を参考に出す方法など、簡易な方法があるが、全部あげると大変なので、今回は2つの方法をクローズアップした。


一つは、天気がいい日にむいていて、樹木の日陰を利用する方法。まずは1メートルの棒を用意する。測量する樹木の周辺で、垂直に立て、棒の影の長さを測る。続いて樹木の根元中心から木陰の先端までの長さを測る。そして樹木の高さをXと仮定すると、下のような公式が成り立つ。
X:木陰の長さ=1(メートル):棒の日陰の長さ

例題、公園にあるケヤキの木陰の長さが12メートルであるとき、垂直に立てた1メートルの棒の影の長さが60センチであった。このケヤキの木の高さを求めよ。
X:12=1:0.6 
X×0.6=12×1 
X=12÷0.6
X=20         ゆえに、樹木の高さは20メートル。


もう一つは、天気に左右されず一度覚えると様々なことに応用できる方法だ。まずは腕をまっすぐ伸ばし、手を握り締める。あなたの目から握りこぶしまでの長さを測り、その長さと同じ長さの棒か何かをその辺で探してくる。(出来るだけ真っ直ぐなものがいい)


そしてその棒を地面に対しておよそ垂直に持つ。あとは自分の目から見て、その棒の先端と測る樹木の先端、棒の末端と測る樹木の根元が重なり合うところまで前進、もしくは後退する。棒の先と樹木の先、棒の尻と樹木の根元がピタッと合ったなら、今自分が立っている場所をマークする。今度は、そのマークした場所から樹木の根元中心までの距離を測る。この距離イコール樹木の高さになる。


どうして自分が立っている場所から樹木までの距離が、木の高さになるのかというと、自分の腕と同じ長さの棒を直角に持つことで、ここに自分の目を頂点に、底辺と高さが同じ三角形が出来上がる。さらに、底辺が重なり合うポイントまで自分の位置を移動することによって樹木の高さが底辺になる相似の三角形を作り出すことが出来る。このとき、持っている棒(底辺)と樹木の高さ、腕の長さ(高さ)と立っているところから木までの距離は相似の関係にある。ということは、底辺と高さはイコールなので、立っている場所から根元までの距離を測れば、樹木の高さが導き出せる。うーむ、言葉で伝えるというのは、なかなか難しい。

コツ、理想として伸ばす腕は地面に平行で、手に持つ棒は垂直に、腕と棒が常に直角になるよう心がける。棒を持つ場所は、おおよそ下から3分の1〜半分くらいのところからはじめるのがいい。自分の立っている位置と木の根元が水平でないと、なかなか合わせにくいのが実際で、ポイント(先端先端、末端根元)が重なるよう多少ずらしながら合わせてゆく。

尚、なんとしても正確に高さを出したい場合は、デジタルセオドライトなどの測量機器を使えば導き出せる。