2003/8/28  #20

SH事業部のノルマ

前回までのウケウリ学を読んで、友人知人からメールを頂い
ている。ありがたいことなのだが、どれもこれも「お前はた
だのエロオヤジではなかったんだな」という趣旨のメールば
かりである。いったい喜んでいいのかどうか困惑していると
ころへ、こんなメールまで来た。
「最近のコラムはおまえらしくないじゃないか!うんぬんか
んぬん!」

これにはさすがに、はっとさせられた。
そうだ、ワタクシには書かねばならぬシモネタが山ほどある
というのに、いったい今まで何をしていたのだ。

時を同じくして
先般のワタクシの工作員としての働き、
特に英国淑女に関する工作活動が、ふがいないものに終わり、
マシラ本部では、使えない人材と判断したらしい。
人事部では、ずいぶん中途半端な日付で辞令の告示をしてきた。

問答無用の辞令
工作員、「マスター」は
平成15年8月27日付けで
マシラ一族より、SH事業部への転属を命ずる。
                    仁義なき人事部

SH事業部。
おそらく、この画期的な事業部を取り入れたのは、
ドボク族が世界で最初ではないかと思っている。
マシラ一族もそうだが、時として我々は世界の最先端を行っ
ているのだ。

しかし、画期的な事業部を取り入れたはいいものの、その事
業部を維持するためのノルマの厳しさは想像を絶しており、
朝日ソーラーや大塚製薬の営業を凌ぐとまで言われている。
その結果、事業部内はいつも蜂の巣をひっくり返したような
状態であり、数字に追われ続けるメンバーは、最初のうちは
ゲーム感覚で自分の能力の限界に挑んでは見るが、そのうち
「果たして自己実現のためにエネルギーを使っているの
か?」と疑問を抱くような人材が増えはじめてきた。

これに危惧したH事業部長は事業部内の大改革に乗り出した
のである。ワタクシの移動は彼を補佐するという名目らしい。

SH事業部のノルマ単位はSH(セクシャルハラス)で表さ
れ、略してセクハラと呼ばれる。よく他の意味合いで受け取
られ、勘違いされたりするので、ここは注意していただきた
い。

例えば、月次の戦略会議などで、
「今月の君のノルマは前年比を考慮して、12セクハラだ。」
「え〜!部長。そんなにセクハラしなくちゃいけないんです
かぁー。」
「あたり前だ!ただでさえ不景気なのに、今セクハラしてお
かなくて、一体いつセクハラするんだ!」
「そんなー、先月もプラマイゼロでやっとだったんですよ
ー。」
「こんな、どこの会社も厳しいときこそ、セクハラするチャ
ンスじゃないか!発想の転換だよ、発想の転換。」

などと、こんな会議を連想される方がいるかもしれないが、
ドボク族の人たちは、見かけも悪いし、中身も粗雑なので、
眠たくなるような会議などというものはしない。

H事業部長はまづ、マズローの欲求5段階説を前提に、
(ラムネ庵さんのコラム「#38人間の欲はいくつあるの?」
にもあるとおり、人間の欲求は生理的欲求・安全欲求・社会
的欲求(所属と愛の欲求)・尊厳と自尊心の欲求・自己実現の
欲求の5つの段階的プロセスをなし、完全ではなくとも初期
段階(低い次元)の欲求が満たされると上の段階に移行し、
その次元の欲求が満たされると、もはやそれは動機づけの要
因とはならないとした。そして、自己実現の重要性を説き、
さらに上の段階にあるものとして「創造の喜び」をあげてい
る。)

マグレガーのX理論とY理論を発達させ、
(マグレガーは経営理論の根底にある人間観に注目し、人間
は生来怠け者である、とするX理論(性悪説のようなもの)
・人間にとって労働は嫌なものである。
・多くの人は、責任を回避し、命令・指導されることを好む。
・人間は本質的に自己中心的、人は厳格に統制されるべきで
組織目標達成には強制が必要である。
・多くの人は組織上の問題を解決するだけの創造性は無い。
・生理的欲求や安全欲求が人を動機づける。と、
人間は自発的に仕事をこなすことに喜びを感じるとする
Y理論(性善説のようなもの)を提唱し、
・人間は本質的には労働を嫌がっておらず、労働は遊びや休
息と同じものになりうる。
・大多数の人は、責任を持って仕事を任されることを望んで
おり、環境さえ整えば自発的に自己統制し仕事をやってい
く。
・自立することが組織目標の達成には、不可欠である。
・人は低次の欲求だけではなく高次の欲求でも動機づけられ
る。
X理論による統制(ピラミッド型管理)より、Y理論に基づ
く個人の欲求と組織の要請を調和させた統合と自己統制の管
理を提唱した。)

そしてさらに、未完成の3次元トランスパーソナル理論を導
入した。これは、人間というものは肉体的(からだ)・精神的
(こころ)・超自我的(たましい)要素から成り立っていて、
それらは別の次元に存在し、それぞればらばらに欲求を欲し
ている。本来の自分をとり戻したり自己実現へ到達するには、
この3つの次元のバランス(焦点)を現在に取り戻さなくて
はならない。そして、そこに至るためのツールとして、とり
わけエネルギーの高い特別な場所・そこに至るまでのゆるや
かな時間・顕在化させるための相対的現象などが必要だとさ
れている。

H事業部長は考え悩んだすえ、半年にいちどメンバーを一人
づつ強制的に洞窟へ閉じ込め、自分の内面に出張させるとい
う、自律神経出張サービスを考案し、9月から順次実施して
いく予定である。一般的にX理論とY理論の特徴は誰にでも
共存しており、どちらが正しいということよりも多種多様な
人材のモチベーションを高め、それぞれの自主性・自立性を
尊重することによってバランスをとる方針を打ち出した。ノ
ルマも自己申告数値と事業部からの目標数値の平均値を取る
ことで当面の改善措置としている。

これらの改革により、以前は建材屋のおねぇちゃんに
「セメント5本とおっぱい2つ」と言ってみたり。
生コン(コンクリート)をミキサー車で持って来てくれた
おねぇちゃんに「君の生コンもいっしょにおくれ!」と、
頼んでみたり、
あるいは建機レンタルの事務員に
「1メートルのバイブレーター(本当にあるのだ)、
今晩用意しといてくれる?」と言ってみたりしていた
ドボク族の人たちは初期段階、生理的欲求が満たされ、営業
の数値はみるみる右肩上がりになる見通しである。

こうしてワタクシのSH事業部生活は、バラ色に包まれなが
ら始まったのだ。

・・・もし、今回の雄叫びを読んで
吐き気やめまい、憤りを感じてしまった女性の方は、
聞き耳サイトではなく、
各市町村の女性相談センター窓口まで。